山囃子について


「東区祇園囃子について」(「山囃子の由来」のページへリンクします)

山囃子方

 「浜崎の山囃子」がいつ頃にできたのか、山笠行事と並行して存在したのか、全く知る術は無い。だが浜崎周辺の祭囃子と極めて類似していることから、どこが発祥の地でどのように伝えられたのかたいへん興味のあるところである。
 山囃子は竹紙笛(「竹紙笛について」のページへリンクします)、太鼓、鐘に浜崎周辺の祭囃子にはあまり見られない三味線がはいっており、幽雅でありながら力強く、奥深いものがあり各地区に伝わっているもので、それぞれ12〜13曲ある。浜区のものが正調とされており曲名はだいたい同じであるが笛の音(ね)の高さや艶のつけ方など、かなり相違点は多い。また山囃子の途中に「ヨーイヨーイ」、「ドスコイドスコイ」などの合いの手が入るのも特徴のひとつである。
  40〜50年程前は西組の山囃子は「横田、砂子地区」から囃してもらっており、西区の古老曰く「西で山囃子ばしゅうてなってかい、横田まで三味線ばかついで、真っ暗ななか田んなかの道ば自転車でよう通うたばい」。
 譜面などが無いため西組でも昔と比べてかなり曲調が変わってきていると思われ、昔の曲調にもどす努力がされており、西区では現在のところほぼ完璧に継承されている
 浜崎の山囃子は大きく分けて山笠巡行中に囃す曲(みちゆき)と山笠を据えたときに囃す曲(すえやま)に分けることができ、「みちゆき」(現在では九曲)を完全におぼえなければ本番に囃す許可をもらえない。
 近年までは山笠を据えているときに、祇園さんを見に来た観客が下段にやってきて「○○○ば囃せ」とリクエストがあり、囃し終るとと御祝儀をもらうという風習もあったという。

次に西組に伝わる全十三曲を紹介する。(曲名の横の”聞く”をクリックするとその囃子が聞けます)

 ・祇園囃子(ぎおんばやし)聞く

山笠の曳き出しや納める時など、祇園さんに敬意をはらう時に囃す曲。

 ・褄開(つまびらき)聞く

上り坂で囃すスローテンポの曲。
襖(ふすま)を開くようにゆっくりということから 襖開き(ふすまびらき)が、なまったともいわれる

 ・褌囃子(みつばやし)聞く

代表的な「みちゆき」であり、山笠をお諏訪さんより曳き出して祇園囃子に変えて 囃す曲。

 ・晒(さらし)聞く

大回りや曲り角で山笠が大きく動く時に囃す曲。
歌舞伎におけるお囃子で大きなたちまわりの場面で囃される部分をもともと「晒」という。

 ・松噺子(まつばやし)聞く

「ストロコ、ストロコ、スットントン」の合の手が入る曳き方に一番人気のある曲。
噺子の字が、ほかの「○○囃子」の字となぜか違う。

 ・豆腐屋(とうふや)聞く

これを作曲したのは豆腐屋の主人であろうか?
笛と三味線のキーが曲の途中で離れていくのも特徴である。

 ・法螺ノ梅(ほらのめ)聞く

「ドッコイ」の合の手が入る太鼓方の気合が入る曲。

 ・寅一(とらいち)聞く

西組では「褄開」の対の曲として下り坂に囃す曲。

 ・二上寅一(にあがりとらいち)聞く

二上りとは三味線の調弦法の一つで本調子より二の糸が一音高い。
しかし山囃子全曲の調子はすべて、二上りである。

 ・陣太夫(じんだゆう)聞く

別名「さるまわし」と呼ばれ、テンポがよく曲に終わりが無い。
この囃子は太鼓の囃子で、太鼓のバチさばきを魅せる曲である。

 ・団七(だんしち)聞く

太鼓方の腕の見せ所、太鼓の間の取り方が難しい為、かなりの鍛錬を要す。

 ・獅子(しし)聞く

笛方が魅せる曲。三味線、太鼓、鐘は完全に脇役である。
笛方でこの曲を一人で囃せるようになったら一人前といわれる。
この曲は絶対繰り返して囃す事は無く一回のみで吹き切る。

 ・猩猩(しょうじょう)聞く

西組だけにある曲。
西組が新たに加えたのか、東、浜組が一曲減ったのかは定かではない。
山囃子方手ぬぐい

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